原子力災害対策特別措置法施行令
原子力災害対策特別措置法施行令
最終改正:平成一六年三月二四日政令第五七号
内閣は、原子力災害対策特別措置法 (平成十一年法律第百五十六号)第二条第三号 、第七条第二項 、第十条 、第十五条第一項 、第三十一条 、第三十三条 及び第三十八条 の規定に基づき、この政令を制定する。
(原子力事業者から除かれる者の指定)
第一条
主務大臣は、原子力災害対策特別措置法
(以下「法」という。)第二条第三号
イからへまでに掲げる者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その者について、同号
の規定による指定(以下この条において単に「指定」という。)をすることができる。ただし、その者が原子炉の運転等のための施設を使用しない期間内に当該施設において原子力災害が発生する蓋然性にかんがみ指定をすることが適当でないときは、この限りでない。
一
原子炉の運転等のための施設を一年以上使用せず、かつ、引き続き三年以上使用する予定がないとき。
二
加工設備、原子炉、使用済燃料貯蔵設備、再処理設備若しくは廃棄物管理設備の本体又は使用施設の本体の解体を終えているとき。
2
主務大臣は、法第二条第三号
イからヘまでに掲げる者が前項各号のいずれかに該当しているかどうかを調査するため、これらの者に対し、その業務に関する報告を求めることができる。
3
指定には、条件を付することができる。この場合において、当該条件は、指定に係る事項の確実な実施を図るため必要な最小限度のものに限り、かつ、指定を受ける者に不当な義務を課することとならないものでなければならない。
4
主務大臣は、指定を受けた者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その指定を取り消すことができる。
一
第一項ただし書に規定する場合に該当するに至ったとき。
二
原子炉の運転等のための施設の使用を六月以内に再開する予定があるとき。
三
前項の条件に違反したとき。
5
指定又は前項の規定による指定の取消しは、官報に告示してするものとする。
(原子力事業者防災業務計画の協議)
第二条
法第七条第二項
の規定による協議は、原子力事業者防災業務計画を作成し、又は修正しようとする日の六十日前までに、所在都道府県知事、所在市町村長及び関係隣接都道府県知事に原子力事業者防災業務計画の案を提出して行うものとする。この場合において、原子力事業者は、原子力事業者防災業務計画を作成し、又は修正しようとする日を明らかにするものとする。
2
所在都道府県知事又は関係隣接都道府県知事は、法第七条第二項
の規定による意見の聴取を行うため、相当の期限を定めて、前項の規定により提出を受けた原子力事業者防災業務計画の案の写しを関係周辺市町村長に送付するものとする。
(関係周辺市町村長の要件)
第三条
法第七条第二項
の政令で定める要件は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一
当該市町村の区域につき当該原子力事業所に係る原子力災害に関する地域防災計画等(災害対策基本法
(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二条第十号
イ又はハに掲げるものを除く。)が作成されていること。
二
前号に掲げるもののほか、当該原子力事業所の区域との距離その他の事情を勘案し、当該市町村の区域につき当該原子力事業所に係る原子力災害の発生又は拡大の防止を図ることが必要であると所在都道府県知事又は関係隣接都道府県知事が認めること。
三
前二号に掲げるもののほか、地域防災計画等(災害対策基本法第二条第十号
ロ又はニに掲げるものを除く。)の的確かつ円滑な実施を推進するため当該市町村の協力が必要であると所在都道府県知事又は関係隣接都道府県知事が認めること。
(通報すべき事象)
第四条
法第十条第一項
の政令で定める基準は、一時間当たり五マイクロシーベルトの放射線量とする。
2
法第十条第一項
の規定による放射線量の検出は、法第十一条第一項
の規定により設置された放射線測定設備の一又は二以上について、それぞれ単位時間(二分以内のものに限る。)ごとのガンマ線の放射線量を測定し一時間当たりの数値に換算して得た数値が、前項の放射線量以上のものとなっているかどうかを点検することにより行うものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、当該数値は検出されなかったものとみなす。
一
当該数値が一地点のみにおいて検出された場合(検出された時間が十分間未満であるときに限る。)
二
当該数値が落雷の時に検出された場合
3
前項の定めるところにより検出された放射線量が法第十一条第一項
の規定により設置された放射線測定設備のすべてについて第一項
の放射線量を下回っている場合において、当該放射線測定設備の一又は二以上についての数値が一時間当たり一マイクロシーベルト以上であるときは、法第十条第一項
の規定による放射線量の検出は、前項の規定にかかわらず、同項の定めるところにより検出された当該各放射線測定設備における放射線量と原子炉の運転等のための施設の周辺において主務省令で定めるところにより測定した中性子線の放射線量とを合計することにより行うものとする。
4
法第十条第一項
の政令で定める事象は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一
第一項に規定する基準以上の放射線量が第二項又は前項の定めるところにより検出されたこと。
二
当該原子力事業所における原子炉の運転等のための施設の排気筒、排水口その他これらに類する場所において、当該原子力事業所の区域の境界付近に達した場合におけるその放射能水準が第一項に規定する放射線量に相当するものとして主務省令で定める基準以上の放射性物質が主務省令で定めるところにより検出されたこと。
三
当該原子力事業所の区域内の場所のうち原子炉の運転等のための施設の内部に設定された管理区域(その内部において業務に従事する者の被ばく放射線量の管理を行うべき区域として主務省令で定める区域をいう。)外の場所(前号に規定する場所を除く。)において、次に掲げる放射線量又は放射性物質が主務省令で定めるところにより検出されたこと。
イ 一時間当たり五十マイクロシーベルト以上の放射線量
ロ 当該場所におけるその放射能水準が一時間当たり五マイクロシーベルトの放射線量に相当するものとして主務省令で定める基準以上の放射性物質
四
事業所外運搬に使用する容器から一メートル離れた場所において、一時間当たり百マイクロシーベルト以上の放射線量が主務省令で定めるところにより検出されたこと。
五
前各号に掲げるもののほか、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
(昭和三十二年法律第百六十六号)第二十三条第一項第一号
に掲げる原子炉(第六条第四項第四号において「実用発電用原子炉」という。)の運転を通常の中性子吸収材の挿入により停止することができないことその他の原子炉の運転等のための施設又は事業所外運搬に使用する容器の特性ごとに原子力緊急事態に至る可能性のある事象として主務省令で定めるもの
六
前各号に掲げるもののほか、第六条第四項第三号又は第四号に掲げる事象
(職員の派遣の要請手続)
第五条
法第十条第二項
の規定による職員の派遣の要請は、派遣を要請する事由その他必要な事項を記載した文書により行うものとする。ただし、事態が急迫して文書によることができない場合には、口頭又は電信若しくは電話によることができる。
2
前項ただし書の場合においては、事後において速やかに文書を提出するものとする。
(原子力緊急事態)
第六条
法第十五条第一項第一号
の政令で定める放射線測定設備は、所在都道府県知事又は関係隣接都道府県知事がその都道府県の区域内に設置した放射線測定設備であって法第十一条第一項
の放射線測定設備の性能に相当する性能を有するものとする。
2
法第十五条第一項第一号
の政令で定める測定方法は、単位時間(十分以内のものに限る。)ごとのガンマ線の放射線量を測定し、一時間当たりの数値に換算することにより行うこととする。ただし、当該数値が落雷の時に検出された場合は、当該数値は検出されなかったものとみなす。
3
法第十五条第一項第一号
の政令で定める基準は、次の各号に掲げる検出された放射線量の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める放射線量とする。
一
第四条第四項第一号に規定する検出された放射線量(法第十一条第一項
の規定により設置された放射線測定設備の一又は二以上についての数値が一時間当たり五マイクロシーベルト以上である場合にあっては、当該各放射線測定設備における放射線量と第四条第三項に規定する中性子線の放射線量とを合計して得られる放射線量)又は第一項の放射線測定設備及び前項の測定方法により検出された放射線量 一時間当たり五百マイクロシーベルト
二
第四条第四項第三号イに規定する検出された放射線量 一時間当たり五ミリシーベルト
三
第四条第四項第四号に規定する検出された放射線量 一時間当たり十ミリシーベルト
4
法第十五条第一項第二号
の原子力緊急事態の発生を示す事象として政令で定めるものは、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一
第四条第四項第二号に規定する場所において、当該原子力事業所の区域の境界付近に達した場合におけるその放射能水準が前項第一号に定める放射線量に相当するものとして主務省令で定める基準以上の放射性物質が主務省令で定めるところにより検出されたこと。
二
第四条第四項第三号に規定する場所において、当該場所におけるその放射能水準が一時間当たり五百マイクロシーベルトの放射線量に相当するものとして主務省令で定める基準以上の放射性物質が主務省令で定めるところにより検出されたこと。
三
原子炉の運転等のための施設の内部(原子炉の本体の内部を除く。)において、核燃料物質が臨界状態(原子核分裂の連鎖反応が継続している状態をいう。)にあること。
四
前三号に掲げるもののほか、実用発電用原子炉の運転を非常用の中性子吸収材の注入によっても停止することができないことその他の原子炉の運転等のための施設又は事業所外運搬に使用する容器の特性ごとに原子力緊急事態の発生を示す事象として主務省令で定めるもの
(原子力災害派遣の要請手続)
第七条
法第二十条第四項
の規定により原子力災害対策本部長が自衛隊法
(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条
に規定する部隊等の派遣を要請しようとする場合には、次の事項を明らかにするものとする。
一
原子力災害の情況及び派遣を要請する事由
二
派遣を希望する期間
三
派遣を希望する区域及び活動内容
四
その他参考となるべき事項
2
前項の派遣の要請は、文書により行うものとする。
3
第五条第一項ただし書及び第二項の規定は、第一項の派遣の要請について準用する。
(災害対策基本法施行令
の規定の読替え適用)
第八条
原子力災害についての災害対策基本法施行令
(昭和三十七年政令第二百八十八号)の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
| 読み替える規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
| 第二十一条 | 法 | 法 |
| 災害の状況 | 原子力災害(原子力災害対策特別措置法第二条第一号に規定する原子力災害をいう。以下同じ。)の状況 | |
| 災害が | 原子力災害が | |
| 災害に | 原子力災害に | |
| 第二十一条第一号 | 災害の原因 | 原子力災害の原因 |
| 第二十八条第一項及び第三十一条第一項 | 法 | 法 |
| 第三十六条第一項 | 法第八十四条 | 法第八十四条 |
| 第三十七条 | 法 | 法 |
| 災害復旧事業費 | 原子力災害事後対策に要する経費 | |
| 災害復旧事業の | 原子力災害事後対策の | |
| 第三十八条 | 法 | 法 |
| 災害復旧事業 | 原子力災害事後対策 | |
| 第四十一条 | 法第九十五条 | 法第九十五条 |
| 第四十二条 | 非常災害対策本部長 | 原子力災害対策特別措置法第十五条第三項の規定に基づく内閣総理大臣の指示又は同法第二十条第三項の規定に基づく原子力災害対策本部長 |
2
原子力緊急事態宣言があったときから原子力緊急事態解除宣言があるまでの間における災害対策基本法施行令
の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
| 読み替える規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
| 第二十四条 | 第八十三条第二項 | 第八十三条第二項又は第八十三条の三 |
| 法第六十四条第一項 | 法第六十四条第一項 | |
| 同条第七項 | 法第六十四条第七項 | |
| 第二十九条第二項 | 公示 | 公示するとともに、速やかに原子力災害対策本部長に報告 |
| 第三十二条第一項、第二項及び第三項並びに第三十二条の二 | 法 | 法 |
| 第三十二条の二第二号及び第三十三条第一項 | 災害応急対策 | 緊急事態応急対策 |
| 第三十三条の二 | 法第七十六条の四 | 法第七十六条の四 |
| 災害応急対策 | 緊急事態応急対策 |
3
原子力緊急事態宣言があった時以後における災害対策基本法施行令
の次の表の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
| 読み替える規定 | 読み替えられる字句 | 読み替える字句 |
| 第十五条及び第十六条 | 法 | 法 |
| 第十九条 | 法 | 法 |
| 災害応急対策又は災害復旧 | 緊急事態応急対策(原子力災害対策特別措置法第二条第五号に規定する緊急事態応急対策をいう。以下同じ。)又は原子力災害事後対策(同条第七号に規定する原子力災害事後対策をいう。以下同じ。) |
(報告)
第九条
法第三十一条
の規定により主務大臣、所在都道府県知事、所在市町村長又は関係隣接都道府県知事が原子力事業者に対し報告させることができる事項は、次に掲げる事項とする。
一
原子力事業者防災業務計画の作成又は修正に関する事項
二
原子力防災組織、原子力防災要員、原子力防災管理者若しくは副原子力防災管理者、放射線測定設備又は原子力防災資機材の状況
三
放射線測定設備により検出された放射線量の数値の記録又は公表に関する事項
四
法第十条第一項
前段の規定による通報に関する事項
五
原子力緊急事態の状況
六
緊急事態応急対策又は原子力災害事後対策の実施に関する事項
(手数料)
第十条
法第三十三条
の規定により納付すべき手数料の額は、六万四千八百円(行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律
(平成十四年法律第百五十一号)第三条第一項
の規定により同項
に規定する電子情報処理組織を使用して申請を行う場合にあっては、六万三千三百円)に放射線測定設備一式につき二万四千九百円を加算した額とする。
(主務省令への委任)
第十一条
この政令に定めるもののほか、法第七条第三項
の届出の手続及び法第三十二条第二項
の身分を示す証明書の様式は、主務省令で定める。
附 則
この政令は、法の施行の日(平成十二年六月十六日)から施行する。ただし、第一条(法第七条第二項又は第十二条第二項に係る部分に限る。)、第二条及び第三条の規定は、この政令の公布の日から施行する。
附 則 (平成一六年三月二四日政令第五七号) 抄
この政令は、平成十六年三月三十一日から施行する。